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違う町に住み… 2020/06/25


昨日の夕方のことを。昨日出先から帰ってきた夜の走り書きを引用する。

 

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午後六時前、閉塞感にたまらず外出。四駅下ったところにある、昔住んだ町に行く。はじめからそこに降りる予定ではなかった。その手前の比較的大きな駅の近くのタワーレコードで、岡田拓郎の『Morning Sun』のCDを買おうと思ったが、置いていなかったのだ。昔住んだ町にはディスクユニオンがある。そう思って足を伸ばした、だがそこにもアルバムはなかった。いよいよ通販にたよることになりそうだった。Spotifyで何度も聴いているけれど、CD音源としてもほしいと思っている。めったにないこと。だがディスクユニオンにもなかったので、そこで見つけた、去年出たアーサー・ラッセルのアーカイブ音源シリーズの最新作、『Iowa Dream』が未開封の中古CDであったので、それを買った。その近くの、かつてよく行っていたちいさなレストランで食事をした。およそ3ヶ月近くぶりの外食だった。一連の逃避のとき、とくにあたりが暗くなり始めたレストランの店内にいるとき(自分一人だった)に考えていたのは、自分が、違う町に住み、違う仕事をして、違う人間関係のなかにいる、違う来歴をもつ人間だったら、ということだった。レストランを出て公園を散歩した。公園までの道すがら、何語かわからない言葉で静かに笑いながら縦一列になって歩いているおそらく夫婦を追い越した。公園にはタンバリンを叩く青年がいた。帰りの電車は空いていた。最寄駅のひとつ手前の駅で降りて歩いた。車が通らないのを見計ってさっと渡らなければいけない道の隅で左右を窺いながら待っていると、左から来た軽トラックが止まった。この道でひとを(というか、自分を)渡らせるために止まってくれた車はこれがはじめてだった。

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最近は食事も二食になって、心なしか頬もこけているのではと感じていたけれど、ハンバーグを食べた翌朝、明らかに血色がよくなっていた。