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花婿がくるとき 2021/03/02


朝、ごみを出しに外に出ると濡れた地面に日がさしていた。あたたかかった。昼過ぎまでは強風のなか、

曇ったり雨が降ったり日がさしたりを繰り返していたけれど、午後からはずっと雨だった。

 

夕方、チャットに仕事のメール。返事、I will deal with it tomorrow morning.

ずっと頭、身体が重かったが、ふと聴いて、また一曲、その素晴らしさに気づけた。

Judee Sillの「When the Bridegroom Comes」。それで今日はよかったと思う。

作詞はジュディ・シルではなく、詩人のDavid Omer Bearden。

歌詞にはとくにキリスト教にまつわるイメージが頻出して、すんなりとはわからない。

 

この曲が収録されたアルバム『Heart Food』は、一度は聴いてみてあれこれバイオグラフィーを調べたこともあるけれどすぐにピンとはこなかったもののひとつで、今日、ふと思い立ってイヤホンで聴きながら仮眠をとったら、目覚めたときに最後から三番目のこの曲が流れていて、声とピアノの音に揺さぶられた。

 

ところで、最近書いた文章(「多重露光」)に「トムとジェリー」の名前を書いたからおやっと思ったのだけれど、

ジュディ・シルの母親の再婚相手は「トムとジェリー」のアニメーター、ケネス・ミューズだった。

この両親と娘の関係は緊張に満ちたもので、しばしば暴力をともなったと、ネットのいくつかの記事には書いてある。

 

「トムとジェリー」を子どものころから何度も見て楽しんできてそのことを書き留めた人が今日、

ジュディ・シルの「When the Bridegroom Comes」を聴きながら目覚めた。

 

すべての作者(伝記)は作品と、関係があって関係がない。関係がなくて関係がある。

関係がなかろうとあろうと、それぞれはそれぞれに、つねに、たしかに存在している。