晴れ。出勤退勤。原稿直し。
ぺナック『学校の悲しみ』、昨日の夕方から読みはじめて、もう半分読んでしまった。
すらすら進むし、嘆き節に染まるようなところはいっさいないし、
くすっとさせられるのはたびたびであるのにもかかわらず、
読んでいてとても悲しくなってしまった。奥からぐっと迫ってくる悲しさだ。
落ちこぼれーーという訳語が暫定的なものであることが初めに書かれているが、
とりあえずーーであった当時を振り返る60歳過ぎの著者がいまだに、
かつてそうであったことで負った傷を抱えつづけているように、
読者である自分もまた、いまなお落ちこぼれである自分を抱えていて、
むしろ落ちこぼれでなかったことなどこれまでなかったということに、
気付かされるからだと思う。その心細さを思い出させる。とてもいい本だと思う。
あの頃を思い出すというそれだけのことの、なんという難しさ。