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怒る人をうつす鏡 2021/05/20


終日雨。

 

最近よく思い出す、すごく好きなシーンというか、設定がある。

 

シオドア・スタージョンのSF小説『ヴィーナス・プラスX』に、

いわゆる人類とはまったくちがった社会で生きる両性具有の人々

「レダム人」が出てくる。

 

彼らはいつも身につけている道具を使って、対話の最中、

大きな鏡を相手とのあいだに出現させることができる。

レダムの人々はめったに争うことをしないのだが、

この道具がそれに一役買っている。

 

怒っている人が鏡のなかの自分を見ることで、怒っている自分を客観的に見ることになり、

怒りが静まるのである。しかし人は自分自身の姿を見ることは普通したくないものなので、

相手にその鏡を向けるときは一ひと言、断りを入れる。

 

それが出現するときの描写はとてもユーモラスで、思い出すたびにフフッと笑いそうになる。

 

今日はまったく調子が出なかった。

とくに痛めているわけではない片膝がすこし痛んだ。

天候のせいだろうか。