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紫陽花 2021/05/29


おおむね晴れ。稽古。翻訳。同僚と食事。

 

今日は不思議な空気のよさがあり、夕暮れに歩いていたらそよ風が吹いていて心がやわやわになった。

最近はなにかを作る手を止めたら孤独感がつのると思い、そうでなくてもけっこう夢中にいろいろやっていた。

でもその風が吹いているときにふと落ち着いて、寂しいようななつかしいような気持ちになった。

どんなに大騒ぎしても、流れ去っていくんだなと思う。そう感じることができるのは贅沢な時間だ。

でも寂しい。ひとりだなと思う。

 

昨日今日とうつくしいーー世界は不思議だと思える余裕がある、というときにこの言葉が出てくるようになったーーといってもいいような日が続いていて、そばにはたまたま(しかし偶然とは?)同僚たちがいた。そういう二日だった。彼らは私がなにを作っているのか、ぜんぜん気にしない。それが優しい。気にしていないだけで、あえてしている親切ではない、そういうふうに優しい。

 

ふと、デヴィッド・ボウイの声はスペシャルだと思う。

 

Time may change me

時間がわたしを変えるかもしれない

But I can't trace time

でもわたしは時間を遡れない

 

夜、友人が、詩を書いたといってファイルを送ってくる。

すぐに折本ソフトに入稿し、表紙をレイアウトして送り(贈り)返す。

いま、触ったものはすべて作品になる気がしている。それがいいのかどうかわからない。

力が内側に満ちており、それは喜びにすこし似ている感じだけれど、いつか終わるのも知っている。