· 

時計 2021/09/01


雨曇り。涼しい。

 

翻訳。数日遅くなったが、今日、次の、修正の段階に入る準備ができた。

 

「アーティストインレジデンスあさひかわ」活動休止および体制変更とのこと。

去年の今日からAIRAのプログラムで旭川入りしたので、節目を感じる。

 

Andy Shaufのあたらしい曲を聴く("Spanish on the Beach")。

Courtney BarnettのヴェルヴェッツのCoverも("I'll be Your Mirror")。

気候が変わると、音の入ってくる感じが違う。

 

ゼーバルト『アウステルリッツ』(鈴木仁子訳)、語り手がアウステルリッツと初めて出会う場面の文章を読む。

 

「なるほど、彼女の背後の壁にはベルギー王国の獅子の紋章が掲げられ、その下にはこの広間の主役である大時計が掛かっている。往時の金箔張りが今は列車と煙草の煙で黒くすすけた文字盤の上を、六フィートはあろうかという長針が時を刻んでいるのだった。話がとぎれて沈黙が落ちると、そのたびに、私たちは一分という時の過ぎ去るまでのはてしない長さを思い知った。そして斬首人の刀を思わせる長針がびくりと動いて、一時間の六十分の一を未来から刻み取り、動いたあとも脅かすようにぷるぷると震えるのを見ると、予期していながらも、そのたびに心臓が止まりそうになるほど縮み上がったのである。」(p.8)

 

9月がはじまった。