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terrible but beautiful season 2020/05/01


いつもの運動をしていたら少し汗ばんだ。

美しい季節、といってしっくりくる。美しい、ってなかなか言わないけれども。最近、美しい。今日はとくにあたたかくて、日暮れ過ぎにすこし冷気が、網戸にした窓から入ってくる。往来の音と初夏の匂いも。とても寒かったりとても暑かったりしないこういう気候に、身体の緊張がとけるのか、普段は思い出さないようなことをふと思い出したりするのは誰だってあると思っているのだが、そうでもないのだろうか。熊本の祖父母の家で小さなコンロでバーベキューをした、縁側に出した折りたたみのテーブルを皿を持って回り込む子どもの気配、ビールの気配、火の気配がぜんぶちょうどいい空気にまざっている、あの感じ、出来事やストーリーではなくあの空気とか光の感触を思い出したりする、そういうことを思い出させるという、美しさ。ベランダの細いオリーブの木が揺れている。