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聴く時間 2020/10/05


前日の日記から数時間しか経っていない朝だが(昨日は夜中の15時に書き終えた。いま朝の9時)、今日の分を書いてしまう。

 

旭川で録音したピアノソロアルバムをBandcampで配布することにした。

 

greetings from the time of ebb tide of love & peace

 

愛と平和が退潮した時代からの挨拶、みたいな意味だが、これは、ポール・エリュアールの詩の翻訳に最近のものがなく、いまあまり読まれていないらしい、どうしてだろう、というわたしの言葉に、大学時代の恩師のひとりがこたえて、「愛とか平和が退潮だからでは」と。それをそのまま拝借した。

 

ある朝、旭川の友人の家で、友人が用事で居間を離れているときに、録音した。その時間を、愛だったか平和だったかと尋ねられるとどうもしっくりこない、そのふたつそのものの状態とは言えない気がしたけれど、少なくともそれらが「退潮」したのがいま、このときであるとすれば、そんないま、このときへの、対抗の意思を含む問いかけの時間と音のような気がした、聴き返しながら。

 

個人的には、とても好き、というか愛着を感じる録音。あのときのなんとも言えない時間の流れを感じる。

その時間の上にピアノの音があるというより、ピアノの音があたかも時間が聞き取れるものであるかのように時間を描いているーーもしくは、時間は聴こえることを伝えている。

 

今日はふたりの友人と会う。その前にやらなければいけないことはしんどい。眠たいけれど眠たいままやろう。