20代最後の日は朝から夜まで本屋で店番をしていた。
預かっているセキセイインコに1日留守番させるのは初めてなので、けっこうはらはらする。籠の暖房はちゃんとついているかしら、とか。いま、帰ってきたら、元気なようだった。よかった。オーツ麦のおやつをあげた。
夕方、『ノーザン・ライツ』を買っていただいた方がいて、話しかけようか迷っているうちに時間はすぎて話さずじまいだった。秘密をつくって黙ってほくそ笑んでいたわけではなく、たんになんだか照れくさいというか恥ずかしい感じがしていたからだが、やっぱりお声がけしてもよかったかもしれない。
しなくてもよかったかもしれない。
自分の誕生日に、という紋切り型があるけれど、そんなことを思って、ルドミラ・ゼーマン・文と絵、松野正子・翻訳の『ギルガメシュ王ものがたり』『ギルガメシュ王のたたかい』『ギルガメシュ王さいごの旅』(岩波書店)を古書で買った。先月旭川の「こども冨貴堂」で久しぶりに見かけてから、ずっと気になっていたのだった。子供のときはなにかオーラを感じて眺めながら、でも「読む」ことはなかった。素晴らしい絵だと思う。著者はアニメーターでもあり、カレル・ゼマンの娘でもあるというのを、今日知った。チェコ出身で、カナダに移住した。
とにかく、インコが元気だったのでほっとした(うたっているようなしゃべっているような音で鳴いている)。これから夕食と、もうひと息、原稿をするつもり。