子犬が傍で寝ている。
その子犬がふらっと姿を消して、見つかって、ほっとする。という夢を見て目覚めた。
世界は危険に満ちているということを生々しく感じて、しばらく寝床にいた。
生活をすこし整えようと思っただけで少し元気になった。料理らしきことをする。
書店へ。知り合いふたりと、うちひとりの友人という方と会う。
「そう、だが私の場合は、燃え上がる溶岩の上で仕事をしているのだ(…)現代の芸術を他の時代の芸術と区別するのは、私たちが瞬間的なものを彫刻にし、焦眉の問題を相手に仕事をしていることだと私は思う」
ーー『フランス組曲』(白水社、2020年)所収「解説」より、イレーヌ・ネミロフスキー