今日はだいぶ疲れた。仕事で半日まあまあ寒いところにいたのである。
そんなとき、あるエッセイを書いた人、Wさんがいらっしゃって、
わたしはそれを読んでいたので、「読みました」と伝えられて、うれしかった。
おそらく単に疲労のために、10秒以上考えごとをするとネガティブなほうに傾く。
考えごとはやめて手を動かすか、休むかしたりしたほうがいいのだろう。
『フランス組曲』も、日中はフィクションの世界とうまく距離が取れているのか、まだ楽しく読んでいるが、
疲れてあたりが暗くなったあとで読むと、自分たちのありうべき近未来を読むようで、つらくなる。
たとえば大きなところでは、パリを東京のように見てしまう。
だがそんな図式的な想像を超えて、なにより、登場人物のあらゆるふるまいが、
崇高に見えても愚かに感じられても、いずれも自分のなかに種としてあって、
しかるべきとき(それは来てほしくないときでもあるのだが)に花開くであろう…と思わされる。
いちいち、冷静で真に迫った描写なのだ。