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近未来 2020/12/19


今日はだいぶ疲れた。仕事で半日まあまあ寒いところにいたのである。

そんなとき、あるエッセイを書いた人、Wさんがいらっしゃって、

わたしはそれを読んでいたので、「読みました」と伝えられて、うれしかった。

 

おそらく単に疲労のために、10秒以上考えごとをするとネガティブなほうに傾く。

考えごとはやめて手を動かすか、休むかしたりしたほうがいいのだろう。

 

『フランス組曲』も、日中はフィクションの世界とうまく距離が取れているのか、まだ楽しく読んでいるが、

疲れてあたりが暗くなったあとで読むと、自分たちのありうべき近未来を読むようで、つらくなる。

たとえば大きなところでは、パリを東京のように見てしまう。

だがそんな図式的な想像を超えて、なにより、登場人物のあらゆるふるまいが、

崇高に見えても愚かに感じられても、いずれも自分のなかに種としてあって、

しかるべきとき(それは来てほしくないときでもあるのだが)に花開くであろう…と思わされる。

いちいち、冷静で真に迫った描写なのだ。