終日店番。
買った本。
・『八つの小鍋 村田喜代子傑作短編集』
・ブライアン・ムーア『沈黙のベルファスト』田中昌太郎訳
・ウィラ・キャザー『マイ・アントニーア』佐藤宏子訳
村田喜代子の小説は、父方の祖母とゆかりの土地が近いのを知ったことがきっかけで気になっていた。
『ゆうじょこう』は拾い読みでとまっている。
今回の短編集、「熱愛」から読みはじめたけど(まだ読み終えてない)、言葉のかっこよさに打たれた。
「けれど、ぼくは夜と朝が双方からかさなりあったあの薄青い高速路のことを話したい。あれはとてもよかった。先を行く車の姿もみあたらない時刻……青白く光って川のようにつづく道。速度メーターの針が百二十キロを越すと、一本の紐になって吐き出されていた道はみょうにひっそりと鎮まってくるのだった。独楽(こま)が澄んでくるのを眺めるときの、あのしずけさと似ている」
うまくいえないが、流れの妙なよさ、漢字とひらがなのとじひらきにあらわれている姿勢というか、構えの独特さ。
ブライアン・ムーアは、ノーマンの小説『ましな来世で』の主人公(と、たぶん作者も)が敬愛している北アイルランドの作家。
ウィラ・キャザーは『大司教に死来る』(須賀敦子訳)がとてもよくて、いつか『マイ・アントニーア』も読みたいと思っていて、今日出会った。
3冊とも、ずっと気になっている作家の本。あたりの日。
店番のプレイリスト。YouTube版。