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書留 2021/04/22


晴れ。昨日は夜中まで眠れず翻訳をやったので二日分ぐらい進んだのだが、今日はやっぱりそのぶん能率が落ちた。

 

そういうものだ。

 

毎日のように見ていて、見るたびに書いておこうと思うが、あまりにささいなことなので毎回、忘れて書かない…ということを、いま覚えているので書く。今日もそうだったのだが、日が沈んだ直後のまだ空が青い時間にブラインドを半分だけおろしていると、室内のオレンジの灯りが窓の外に漏れて、ベランダの白い壁の下方を照らす。このとき白い壁は大気の色を受けて実際は青く見えているから、青いスクリーンに、四角い、ぼんやりとしたオレンジの光が映じているわけだ。そして窓と壁のあいだには細いオリーブの木の鉢があり、オレンジ色の光の枠の内側に、その木の影がうつる。手前には灰緑色の木じたいが立っている。数分もするとこの青とオレンジと灰色の微妙な色合いは、ほとんどモノクロームになる。

 

山田英春『石の世界』を読み終わった。イサク・ディネセン『冬の物語』を読んでいる。

 

アラン『幸福論』を拾い読み。要約したらわりあいよくある自己啓発本と変わらない…と思うが、

それはやはりいい本だということにならないか。書いてある内容だけでどうというのではなく、

文章から感じられる一貫した姿勢、その徹底ぶりに、語り手の感じが伝わってくるのが大切で、

人を励ますのはやはり意味ではない。例え話や論理の迂回の形から伝わってくる熱とか深さだと思う。