晴れ。
『ビルバオ−ニューヨーク−ビルバオ』に、『ノーザン・ライツ』でも描かれた出会いのかたちと同じかたちの出会いが書かれていた。
ふと見かけた人の声が、それ以前に無線機を通じてのみ聴いていた声と同じだとわかって、呼び止めるのである。
「声でわかったんだよ」(『ビルバオ−ニューヨーク−ビルバオ』p.69)。
気候のせいか、過去に書いたものがやや良く見えた。
思い出したこと。小学生のころ、教育実習の先生が「オーシャンゼリゼ」といったらわれわれ生徒が無反応なのに驚いて「これ聞いたことない?」とピアノで弾き語りをはじめた。それがこの歌をはじめて聴いたときだった。歌は幸せを増幅させるだけではなくて、ときには歌から幸せがうまれる、というのを感じた気がする。新作間近なウェス・アンダーソンの名作「ダージリン急行」のエンドクレジットでも流れていた。