午後外出。
移動中、帰ってからも、原田知世がカバーしている松任谷由実の「守ってあげたい」をずっと聴いていた。
コーラス以外の歌詞をじっくり聴いたことがなくて、あらためて言葉を追って揺さぶられた。
蜻蛉を採るようにようにつかまえ、日が暮れるまでレンゲを編むように形にしてね、って、
相手に「もういちど」そうするようにうながしている語り手そのひとが、
ときにはそういうふうにやってきたのだということがわかる。
歌とはそういうふうに、歌う者の内側と外側に同時に働きかけるものだから。
それを聴く人のなかには、それまで自分がやってきたことのなかのひとつもしくはいくつかが、
まさにそうやって為されていたことに気づくはずで、そうなったら、
この歌はそのひとの密かな行為を照らし出したということになる。