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モンロー 2022/08/17


曇り。またディランの「Murder Most Foul」を何度も聴いている。

 

弟からクッキーのお土産が届いた。日記を書かないあいだも、差し入れがちらほら。ありがたい。

あまりにも外に出ていなくて、塞ぎがちになっている。

仕事の進みは悪くて、よっぽどのときは喫茶店などに移動してとにかく手を動かしている。

 

「攻殻機動隊」のTVアニメシリーズを見ていた。2000年代半ばの。漫画は読んでいて映画も「イノセンス」をはるか昔に見た覚えがあるけれど、新鮮な面白さを感じながら見た。なんとなく連想したのは何年か前に読んだ深沢七郎の『笛吹川』で、それは面白さが似ているからではなく、かけ離れている気がしたから。「攻殻機動隊」は世界を把握できる人間とできない人間がいて、できる立場や能力のある人間たちが活躍するが、『笛吹川』はその二分法自体がなかったような気がする。なんというか「どうしようもない」の怖さを感じたのを覚えている。世界の「裏」の仕組みを掌握できるという態度はどこからくるのか。『笛吹川』にはなかった。比較するにはテキスト選びが恣意的すぎるけれども。ただ連想した、というだけ。

 

おとといが寄稿した雑誌「アルテリ十四号」の発売日だった。

今日はなんの仕事とも関係がない文章を少し書いた。

 

11日、海外に行くひとを成田まで見送った帰り、向かいに座ったひとのTシャツにマリリン・モンローの写真があった。

うとうとして目を開けるたびに目が合う気がした。妙に「彼女はほんとうに存在したんだな」という感じがした。

眠気、西日、振動…いろいろな作用で、写真が窓のように見えるときだ。

ずれているのは時間だけで、それ以外の点でわれわれは同じ瞬間に居合わせている、と当たり前に思える。